2020/09/07
２年前の夏、うつ病になった。
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そこから約６か月で社会復帰できたのだが、それは仲間の存在が大きかった。
１．教員時代の仲間
教員時代、教育を研究するサークルに入っていた。
そこで知り合った１学年上の仲間。
私は彼といつも一緒にいた。
どれくらい一緒にいたかというと、二日に一度は一緒に勉強していた。
一緒にセミナーに行ったり、一緒に勉強会を開いたり、一緒に体操教室を計画運営もした。
大切な仲間であり、同志であった。
私が、うつになった事を知ると、すぐに連絡をくれた。
「マー坊、大丈夫か？俺でよければ話を聞こうか？」
嬉しかったが、その時は断った。
お互い、言いたいことを素直に言っていた仲だった。
だからこそ、ちょっと負荷が強いな、と思った。
そして、一か月がたち、再び彼が連絡をくれた。
「一緒に食事するだけでいいから会おうか？」
そんな風に、彼は私に負荷をかけないように気遣ってくれた。
だから、会うことにした。
それからというもの、定期的に彼と二週間に一度ほど、夜に食事をすることになった。
家族を含めなければ、私とこの社会をつないでくれていたのは、その時彼だけであった。
家族以外で安心して会えたのは、彼だけだった。
２．彼の頷きと否定の無い空気感
彼は、一緒に夕食をとりながら、私の話をひたすら聴いてくれた。
「うんうん、そうだよね。」
「ああ、頑張りすぎちゃったんだね。」
「ゆっくり休んでいいよ。」
私の話の全てを受け止めてくれた。
当時、私の自己肯定感はないに等しかった。
自分の存在価値も分からず、自己無力感に苛まれていた。
自分自身が本当に嫌で仕方なかった。
なんて、責任感がないんだって自分を責めていた。
しかし、彼が私の話を聴いて、頷いてくれる。
決して否定させずに「わかるよ」と言って、受け止めてくれる。
ただ、それだけで私の心にぽっかり空いた穴が少しずつ、少しずつ埋まっていくような感覚がした。
今になって思うが、当時の私の自己肯定感を一滴一滴水を入れていくように彼が高めてくれた。
３．定点観測
彼と定期的に二週間に一度会っていた。
そこでは、私の様子、ここ最近変わったこと、などを毎回話していた。
当時、家から出ることのなかった私は、家族以外の誰かと話すことはなかった。
でも、彼と話すことによって、自分の変化に気づくようになった。
「そういえば、最近○○ができるようになってきた」
そんな話をすることによって、前回よりもどんなことができるようになったか。
前回よりもどんな風に回復に向かっていっているのか、自分で自覚できるようになった。
前回よりも、良くなっているところに気づくと、不思議だがそれを引き金にして、他の部分もよくなっていく。
・罪悪感に苛まれる時間が減った
・筋トレができるようになった
・料理が楽しくなった
・家族でどこどこに出かけた
などなど・・・。
トントン拍子によくなっていったわけではないけど、彼に現在の状況をアウトプットすることで、少しずつ上向いている自分に気づき、ほんのちょっと前向きになれる。
彼と話すことで、私は自分を定点観測していたのだ。
彼と話すことで、私は私を少しずつ客観視できるようになった。
さて、彼はずっと私の言うことを肯定してくれていたのだが、うつを発症して５か月目。
私は初めて彼に教員を辞めることを告げた。
すると
「だめ！辞めんな！」
とそこで初めて否定された。
彼は、純粋に私が辞めることを寂しがってくれた。
ずっと学んできた仲間。
だからこそ、全力でその時は否定してくれた。
否定はされたが、もうほぼうつが治っていたので平気だった。
寂しいと思ってくれる気持ちが嬉しかった。
私を支えてくれた彼に、心から感謝している。
４．友達に相談するべきか
うつを発症してすこしずつ気持ちが上向いている時期なら友達に相談してもいいと思う。
ただし、本当に心から信頼している人には、だ。
心から信頼している人なら、きっと苦しい自分の心情を分かろうとしてくれる。
もし、分かってくれなかったなら、当分元気になるまで会わなければいいだけだ。
自分をいつでも肯定してくれる存在は本当に大きい。
「大丈夫だよ。」
「気持ち分かるよ。」
って言ってもらえることがどれほどその人の心の重荷を減らしてくれることか・・・。
この記事が、困っている人の役に立ってくれたら、幸せです。
