大野眞輝 official blog

「人のマネはしちゃだめ」は本当に人を伸ばすのか

time 2017/10/04


上達の近道は、「真似る」こと。

これは、どの分野でもあてはまる原則です。

「学ぶ」という言葉の語源は「まねぶ」からきていることからも、真似る重要性が分かります。

関連記事:盗むなら徹底的にやる by『成功は「気にしない人」だけが手に入れる』

 

でも、この考えがあんまり世間に浸透していないと思うのは、私だけでしょうか。

「オリジナリティを出さなきゃ!!」

「マネしてばっかじゃ、自分で考えなくなるでしょ!!」

そんな声をよく聴きます。

でもオリジナリティとは、悪く言えば我流のこと。

我流では、上達のスピードが圧倒的に遅くなります。



1.スポーツで考えると・・・

スポーツの世界は、基本的にマネの連続です。

「盗む」と表現する人もいます。

例えば、野球。

上手い人のプレーを見ることから始まり、その動き一つ一つをマネして上達していきます。

また、今ではプロ野球選手のピッチングフォームやバッティングフォームの動画、連続写真は簡単に手に入ります。

これらを見ながら、自分の動きを見本となる動きに近づけていくことで、上達していきます。

そのあとに、自分らしい動きや、オリジナリティを少しずつ加えていけば、より早く上達できます。

 

これを野球を始めた当初から我流でプレーすると大変なことになります。

フォームはぐちゃぐちゃ。

ケガをしてしまったり、思うような結果が出なかったりします。

そして、我流で行う最も厄介な点は、その後我流のフォームから抜け出せなくなることです。

一度、体で覚えてしまったぐちゃぐちゃなフォームは、途中で直そうと思うと、非常に苦労します。

だからこそ、最初の段階でよいお手本を見つけ、その人のマネをすることが大事なのです。




2.新たな発見はそれまでの発見を学ぶことから始まる

例えば、新たな画期的な照明を発明しようとしている人がいるとします。

その場合、この人がやることは次の事ではないでしょうか。

  1. 今までに発明された照明について学び、真似て作ってみる
  2. その照明をちょっとずつ改良して、実験する
  3. 実験を繰り返し、新たな画期的な照明を発明する

 

マネ→改良→新たな発見

これが自然な流れです。

 

我流でやるということは、エジソンの豆電球の発見、LED照明の発見など、数々の人類の発見も学ばずに(マネせずに)一から自分で全てを作り出そうとしているようなものです。

一人の人生の時間には、限度があります。

こんなことをしていたら、多分エジソンの豆電球の発見までもいきつきません。

何も新たな発見ができずに人生が終わってしまいます。

真似るということは、今までの人類の英知の上に、新たなものを築いていく営みと言い換えることもできるでしょう。

 

3.真似る文化が否定される原因

では、なぜ真似る文化を否定する風潮が世の中にあるのでしょうか?

 

それは、ズバリ!!教育に原因があると私は確信しています。

私は、もともと教育界に身を置いていました。

だからこそ確信しています。

 

学校の教室では、よくこんな風景が見受けられます。

例えば、絵を描く図工の時間。

先生はこのように言います。

「自分が描きたい絵を、自分らしく思いのまま描こうね。」

 

絵が得意であり、今まで絵を描く経験が蓄積されている子はこの指示でも絵を描くことができます。

しかし、自分であまり絵を描いたことがない。

もしくは、絵を描く経験が十分に蓄積されていない子は、

「先生、何をどう描いたらいいか、わからない・・・。」

と困りだします。

そのうち、その子はキョロキョロと周りを見渡し始めます。

周りの子が何を描いているのか、知りたいのです。

でも、そんな時先生はこんな声かけをすることが多いのです。

だめよ、周りの友達のマネしちゃ!!自分で考えなきゃ!!

 

いやいや、無理でしょ。

 

また、こんな光景もよく見ます。

授業中、ノートに子どもたちが自分の意見を書く時のことです。

先生は、

「自分の思っていることを、ノートにそのまま書いてみましょう。」

と言います。

この場合もやはり、文章を書くことに慣れている子は簡単に書けるのですが、文章を書くことに慣れていない子はなかなか鉛筆が動きません。

その子の頭の中に、文章のパターンやフォーマットが十分蓄積されていないのです。

それでも

「なんで書けない?友達のマネをしちゃだめよ。自分の思った通りに書けばいいのよ!」

と声をかける先生が多い。

 

いやいや、書けないよ。

 

私は、教員時代、次のように指導していました。

まず、私が黒板に意見の見本を書いていきます。

「先生の見本、真似していいよ。」

すると、文章が得意な子が私のマネをして、5ページも6ページも、多い時には10ページ以上意見を書くようになります。(つまり、私のマネです。)

そして、文章が苦手な子には、次のように伝えました。

「近くの子のノートを見て、写していいよ。」

こう伝えると、どの子も最低1ページ程度は意見を書けるようになります。

 

また、早くに意見をノートに書き終わった子には、前に出てきてもらって、その意見を黒板に書いてもらいます。

これが、文章を書くことを苦手としている子の見本となります。

 

意見が書き終わった子のノートをすぐにコピーして、全員に配り、

「参考にしてね。」

と言ったこともありました。

 

こんな風に、真似することを推奨し続けていると、どの子も半年ぐらいで自分の意見が少しずつ書けるようになっていきます。

一定量以上、文章のパターンや引き出しの蓄積が頭の中にたまり、自分で文章を書けるようになります。

この段階を経て、文章が書けるようになると、子どもたちは本当に喜んでくれます。

 

4.教育界へエールを込めて

ここまで教育界の問題点をあげてきましたが、誤解しないでほしいことがあります。

多くの先生方は、本当に頑張っています。

子どもたちのことを想い、少しでも成長してほしいと願いながら努力している先生が本当に多いです。

 

だからこそ、私は、教育界にもっと良くなってほしいと思うのです。

先生の頑張りの分だけ、子どもたちの成長がきちんと見える世界になってほしい。

 

正直、「マネをしない」風潮にあるのは、義務教育だけです。

子どもが初めて言葉をしゃべれるようになる時も、

習い事を始めた時も、

そして大人になって仕事を始めた時も、

全て、親や上級者もしくは師をマネすることからスタートします。

 

先生方の日々の努力が、本当の意味で報われ、その先にいる子どもたちが成長してくれたら、

幸せです。




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