2024/09/09
今、私自身が力を入れて取り組んでいること。
それが、
やらないことを決める
ということ。
このことは、実業家の金川顕教氏が著書の中で繰り返し主張していることです。
私も、この本を読んで、自分自身のやらないことリストを作成しました。
- テレビを見ない(家族と映画などを楽しむとき以外)
- 二次会に参加しない(大抵二次会まで行くと愚痴大会になる)
- ネットサーフィンしない(時間を決めて、SNS等をチェックする)
- 現場で極力自分で作業しない(あくまで私の立場は工事の現場監督)
- お酒は二日に一度しか飲まない(お酒を飲むとついテレビをみてしまう)
このように、やらないことを決めることによって、時間が生まれ、本当に自分がやるべき事柄に対して集中できます。
これは、人類が歩んできた歴史をふりかえっても、理にかなっています。
1.自分でやることだらけだった石器時代
時は、石器時代。
まだ狩りをして暮らしていた頃です。
「ああ、魚が食べたいな。」
ある人A君が、そう考えました。
このA君が一匹の魚をゲットするのに、一体どのくらいの時間がかかっていたでしょうか。
①釣り針を作る 2時間
まず、魚を引っかける釣り針を作る必要があります。
これで最低でも2時間はかかっていたでしょう。
②釣り糸を作る 2時間
魚を引く糸を作らなければいけません。
その材料を調達し、糸にしていく。
これも最低でも、2時間はかかります。
③魚を釣る 2時間
魚を釣るノウハウなど、当時はありません。
魚一匹を釣り上げるのに、2時間はかかっていたでしょう。
合計、6時間です。
魚一匹をゲットするだけで、最低でもこれだけの時間がかかっていたのです。
昔の人って、のんびり優雅に暮らしていたのだろう、と思われがちですが、逆です。
やることが多すぎたのです。
これは、昔やっていたTV「いきなり黄金伝説」の無人島生活を見ているとよくわかりますね。
食事の準備。
お風呂を準備。
寝床の準備。
ほとんど寝ずに行っていましたね。
2.交換と分業を行った人類
最初は、何でも自分でこなしていたのですが、それでは時間がいくらあっても足りません。
そこで、人は考えました。
「そうだ!魚を釣る作業はB君に代わりにやってもらおう。」
そうすると、次のようになります。
①釣り針を作る(自分でやる 2時間)
②釣り糸を作る(自分でやる 2時間)
③魚を釣る(B君)
魚を釣る作業は、人に任せて自分ではやらない。
自分は、釣り糸と釣り針を作って、B君に渡すだけ。
やらないことを決めることによって、4時間で魚がゲットできます。
(もちろん釣ってもらった魚はシェアします)
さらに、あることに気づきます。
「そうだ!釣り糸を作る作業はC君に代わりにやってもらおう。」
そうすると、次のようになります。
①釣り針を作る(自分でやる 2時間)
②釣り糸を作る(C君)
③魚を釣る(B君)
自分は釣り針を作るだけ。
釣り糸はC君に作ってもらう。
その釣り糸と釣り針をB君に渡し、魚を釣ってもらう。
2時間で魚がゲットできるようになりました!!
これこそが人類があみだした「交換」「分業」です。
さて、自分でやることは、「釣り針をつくること」だけ。
そうなると、それだけに集中できるので作る効率が良くなっていき、品質も向上します。
これによって、時間がどんどん生み出されていきます。
「交換」「分業」を行うと、時間が生み出されるのです。
3.私たちの身の回りにあるモノ全て「交換」「分業」で手に入れたモノ
普段生活で使っているモノ。
例えば、スイッチ一つ押せばご飯が炊きあがる炊飯器。
例えば、スイッチ一つ押せば洋服を洗うことができる洗濯機。
これらは、全て自分自身で作ってもらったものではありません。
他の人が「分業」によって作りだし、それをお金と「交換」に手に入れたモノです。
「私は、自動車も作っています。炊飯器も作っています。エアコンの工事もしています。」
という人はまず見かけません。
「分業」されていて、「専門化」が進んでいます。
「分業」「交換」これこそが、人類が繁栄してきた大きな要因です。
4.何でも自分でやってしまう完璧上司は損をしている
でも、多くの会社には、このような上司がよく存在します。
自分で何でもこなせてしまうタイプの上司
接待もでき、営業もでき、新たなプロジェクトの企画・運営もでき、何でもできてしまうタイプです。
でも、これって自分ひとりだけの力を必死で伸ばしているに過ぎません。
このようなタイプの上司は、自分にも厳しく、相手にも厳しい傾向が強いです。
「人に任せるぐらいなら、自分でやった方が早いや!!」
と言って、自分だけの力でどんどん仕事を進めてしまいます。
しかし、これは人類の繁栄の原則「分業」「交換」を全く無視しています。
無人島で生活していて、一人で食事も住居作りも狩りも農作も行っているようなものです。
結果は出せても、圧倒的に時間がなくなる。
1人で結果は出せても、100人の人と「分業」「交換」した結果には遠く及びません。
1人だけで成果を出すのではなく、自分しかできないことは何なのか選択する。
そして、部下に任せることが可能な仕事はどんどん振ってあげて、その人に責任感と仕事の愉しみを与えてあげる。
長い目で見れば、このようにする方が圧倒的に大きな成果となります。
5.最後に
人間はみな、不完全です。
誰でも不得意な分野があります。
その不得意な分野を自分だけで努力してカバーするのではなく、人にお願いすることでカバーしてもらう。
その代わりに、自分が得意な分野では、精一杯人の為に働く。
「やらない」ことを決めるから、「やる」ことに集中でき、本当の意味で人の役に立てます。
人間は、そんな風に自分の弱さをお互いにカバーし合いながら、繁栄してきたのです。
人間は、お互いの違いを認め合いながら、長い歴史を刻んできたのです。
さあ!!
今日からやらないことを決めよう!!