大野眞輝 official blog

子どもが親の言うことをきちんと理解できない本当の理由

time 2017/09/29

まだ、私の息子が保育園に通っていた頃。

その日は、たまたま私が仕事が休みだったので、息子を保育園に送りに行ったのです。

すると、教室の中からなにやら罵声が聞こえてきます。

「もうなんでわからないの!!!バカ!!!」

あるお母さんの怒鳴り声でした。



1.矢継ぎ早な指示では理解できない

世のお母さんは、忙しいです。

子どもを保育園に送ったあと、すぐに仕事に向かわなければいけなかったのでしょう。

そのお母さんは、子どもに矢継ぎ早に指示を出していました。

「はい、バックをロッカーにしまって!!あ、靴を靴箱に入れてないでしょ!!きちんと並べて靴箱に入れるのよ。そしたら連絡帳をすぐに先生に提出して。昨日渡したプリントも先生に渡すのよ。早く!!帽子は部屋の中では脱いで!!」

急いで指示を出すお母さんとは、対照的にその子はぽかんとしています。

あれ、なにするんだっけ!?

そんな顔です。

その様子を見て、さらにお母さんは怒ります。

「もう!!なんでわからないのよ!!バカ!!!」

 

お母さんの急がなきゃいけない気持ちも分かります。

でも、脳の仕組みから考えると、この指示では伝わりません。

脳のワーキングメモリがいっぱいになってしまうのです。

 

2.ワーキングメモリとは??

ワーキングメモリとは、脳の「メモ帳」にたとえられます。

「作業記憶」とも言われています。短期的に、一時的に記憶を貯蔵しておく領域です。

このワーキングメモリ。実は思いのほか容量が小さいことが分かっています。

ワーキングメモリが一度に貯蔵できる事象は「7±2」といわれています。

最近の研究では、「4±1」という説も出ています。

 

さて、先ほどのお母さんの指示

「はい、バックをロッカーにしまって!!あ、靴を靴箱に入れてないでしょ!!きちんと並べて靴箱に入れるのよ。そしたら連絡帳をすぐに先生に提出して。昨日渡したプリントも先生に渡すのよ。早く!!帽子は部屋の中では脱いで!!」

を聞いた時、子どもの脳のワーキングメモリがどうなっているのかを見ていきます。

(この場合、ワーキングメモリに貯蔵できる事象は4つとして、話を進めます。)

 

まず、子どものワーキングメモリはお母さんの指示の前半部を聞いただけでこのようになります。

・バックをロッカーにしまう

・靴を靴箱にしまう

・きちんと並べて入れる

・連絡帳を先生に出す

 

もうこれで、ワーキングメモリはいっぱいなのです。それでもお母さんの指示は続きます。

 

・バックをロッカーにしまう→メモリがいっぱい。忘れる。

・靴を靴箱にしまう→メモリがいっぱい。忘れる。

・きちんと並べて入れる→メモリがいっぱい。忘れる。

・連絡帳を先生に出す

・プリントを先生に渡す

・早くする

・帽子を脱ぐ

 

上のように、最初に聞いた指示3つは、後から聞いた指示に押し出されるようにして、忘れてしまいます。

ワーキングメモリの容量オーバーです。

覚えているのは、青字で書いた最後の4つの指示。

子どもによっては最後の「帽子を脱ぐ」指示しか頭に残っていないかもしれません。

 

例えば、よくこんな状況に遭遇しませんか。

仕事で事務作業をしていたら、電話が鳴った。

電話をとって話し終えたので、要件を上司に報告した。

作業に戻ろうとしたが、何の作業をしていたのか思い出せなくなった。

これもワーキングメモリの容量オーバーで起きる出来事です。

 

3.では、どうやって指示を出せばいいのか。

一度にたくさんの指示を出すと、子どもは覚えていられません。だから、一度に一つの指示だけを出すのです。

そして、1つの指示を守れたら、褒める。

また、指示を出す。褒める。

この繰り返しです。

「まず、バックをロッカーにしまうよ。」

「お、よくできたね!!」

「次は、靴を靴箱に並べて入れよう。」

「上手だね」

「次は連絡帳を先生に出すよ」

・・・・

こんな感じです。

 

これなら、1度にワーキングメモリは1つしか使いません。

だから、確実に覚えていられます。

 

4.慣れてきたらチャンク化

とはいうものの、毎回1つ1つ指示を出していると、正直かったるいです。

だから、行動をルーティン化するのです。

お母さんが「次になにするんだっけ?」と問いかけてあげます。

こんな感じです。

 

「まず、着いたら何をするんだっけ?」

「そうだよね、靴を並べて靴箱に入れるんだね。」

「その次は?」

「そう、バックをロッカーにしまうんだね。」

「次は?」

 

子どもに流れを問いかけることによって、子どもの動きがルーティン化します。

①靴をしまう→②バックをロッカーにしまう→③連絡帳を出す→④プリントを出す→⑤帽子を脱ぐ

この一連の流れがひとかたまりになります。

これをチャンク化といいます。

チャンク化されてしまえば、動きはオートマチック。

お母さんの指示は必要なくなります。

チャンク化されると、ワーキングメモリは1つしか使わなくて済みます。

そうすると、ワーキングメモリに空き容量ができて、お母さんから別の指示を聞きながらでも、この一連の作業ができるようになるのです。

 

これは、自動車運転と似ています。

教習所で運転を習いたての時には、一つ一つの動作にいちいち気をとられます。

話しながら運転など、できません。

ワーキングメモリの容量オーバーです。

しかし、運転になれてしまえば、チャンク化が進み、一連の動作で運転ができます。

使うワーキングメモリは1つ。

残ったワーキングメモリの容量で、会話しながら楽しくドライブができます。

 

5.まとめ

まずは、1度に1つの指示を意識してみてください。

慣れてきたら、子どもに問いかけるようにして一連の動作をルーティン化してみてください。

ワーキングメモリの考えが、皆さんのお役に立てたら幸せです。

 




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大野まさき

元小学校教員の経験をいかして、せどり・物販スクールを運営。月利10万~1000万の生徒を累計700名輩出。生徒に対しての情熱が一番の取柄。

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