2024/09/09
私の尊敬する人の言葉を紹介します。
その方は、私が新卒教師として赴任した小学校の校長先生です。
私は、教員を辞めることになりましたが、教員だったときはもちろん、今でもその方の言葉が私の心に宿り、多大な影響をもらっています。
1.パワフル校長先生
その方は、女性の校長先生でした。
年齢は、60近くだったのですが、とにかくいつもキラキラしている方でした。
着ている服もゴージャス。
お肌もツヤツヤ。
本当に、オーラ溢れる方でした。
見た目以上に驚かされたのは、その行動力。
私は、当時5年生を担任していたのですが、その方が私に提案してくれました。
「ねえ、マー坊先生。子どもたちと長縄に挑戦してみない?私も一緒に縄を回しますので。」
そう言って、校長先生は昼休みに毎日、私と一緒に縄を回してくれました。
これは、8の字跳びといって、私と校長先生で縄を回し、子どもたちが順番に縄を跳んでいきます。
3分間に何回跳べるかの記録に挑戦していました。
とはいうものの、私も今までの人生で8の字跳びなんて、指導はおろか、やったこともほとんどありませんでした。
そんな私を見てか、校長先生がどんどん子どもたちに指導してくれました。
どうやって跳べばいいのか子どもたちに教えてくれました。
また、ある時は、その時活躍しているスポーツ選手の話をしてくれて、やる気を出させてくれました。
活を入れてくれたことも、子どもたちを全力で褒めて励ましてくれたことも多々ありました。
そんな風に、校長先生自らどうやって指導したらいいか、私に示してくれたのです。
毎日、練習を行い、気づいたら、3分間で420回も跳べるようになっていました。
これは、その当時、私がいた県で4位の記録となりました。
2.人をやる気にさせる伝え方
私が年下の方と話をしたり、アドバイスをする時には、いつも校長先生の事を思い出して行っています。
校長先生は、決して私を頭ごなしに叱ったり、責めたりすることはありませんでした。
「マー坊先生、ちょっとお話しようか。」
と言って、私を校長室に招き、開口一番、このように言ってくれたのです。
「本当に、君はよく頑張っているね!!」
そして、具体的に、私のどこが成長しているのか、話してくれます。
その後で、
「でも、○○はこうした方がいいね。」
と言って、1点だけアドバイスをしてくれました。
そして、最後には必ず
「頑張ってね!先生の成長が楽しみです!」
と言って、強く握手してくれました。
この話の順番や、バランスが絶妙でした。
頑張りを褒める→改善点を少しだけ伝える→力強く握手
このように伝えられるだけで、自然と改善点を受け入れようという心の余裕が生まれます。
もし、これが最初から改善点を伝えられていたら、なかなか素直に自分の良くない部分を認めることができなかったでしょう。
私は、いつもこの校長先生の深い愛情に包まれていたのです。
3.校長先生が教えてくれた金言
たしかあれは、飲み会の帰り道でのこと。
私は、変える方向が一緒だったので、校長先生と歩いていました。
その時、校長先生はこんな話をしてくれました。
「マー坊先生、子どもたちのことは褒めていますか?認めていますか?子どもたちがほんの少しでも成長したら、ほんのちょっとでも変化したら、そのことを決して見逃さず、思いっきり褒めてあげてください。その子はきっと、『ああ、先生は褒めてくれた。私のことをきちんと見ていてくれる』と思うでしょう。」
さらに、話を続けてくれました。
「もしその褒められた子が、大人になって落ち込む出来事と遭遇したとする。上手くいかない事があって、悲しんだとする。そんな時に思い出すのが、先生の『よく頑張ったね』という褒め言葉です。その子はきっと、『今は上手くいってないけど、小学生の時、先生に思いっきり褒められたことがあったな。私、辛いことも乗り越えられるんじゃないかな・・』とあなたのほめ言葉を思い出してくれる。あなたの褒め言葉こそが、その子の将来の生きる力になります。」
この言葉が、私の中の金言になりました。
褒めることでその子の今を変える。
それも大事なことだが、校長先生が言っていたことは、褒めることでその子の未来にも残る希望の光を心に残す、ということ。
4.まとめ
人を褒めること、って結構難しいです。
きちんとその人のことを見ていないと、具体的に褒めることなんてできません。
私も私の今の状況の中で、可能な限り人を褒め、認めていきます。
それが当たり前の社会になったら、最高ですね。
この記事がみなさんの役に少しでも立てたら、幸せです。